COOが語る、恋愛メタバースと資金調達の裏側 【Flamers 柴田氏】
今回は、恋愛メタバース「Memoria(メモリア)や長期インターンの口コミサービス「Voil」を提供する、株式会社Flamers(以下、同社)の取締役COO・柴田展大(しばた・ひろと)さんにお話しを伺いました。同社は2022年10月にシードラウンドとして1億円の資金調達を行っています。
3人で共同創業した経緯から新規事業リリース、昨年の資金調達に至るまで、これまでの体験談を詳しく伺いました。
<柴田 展大 氏 プロフィール> 株式会社Flamers 取締役COO 北海道大学在学中の2019年11月に、同社CEO佐藤・CPO設楽の3名で株式会社Flamersを創業。「世界中の人々の人生がワクワクであふれている世界を創る」をビジョンに掲げ、2020年6月より学生向け長期インターン口コミサイト「Voil」の提供を開始。2023年4月には恋愛メタバース「Memoria」を正式リリース。 |
目次:
起業に至るまでの経緯
ー本日は宜しくお願いいたします。最初に、御社の事業内容について伺ってもよろしいでしょうか?
柴田さん:
本日は宜しくお願いいたします!現在、弊社では「Memoria」という恋愛メタバースのサービスを提供しています。今回のファイナンス(資金調達)は、完全にMemoriaという事業に対しておこなっているので、本日はその事業×ファイナンスを中心にお話しできればと思っております。長期インターンの口コミサービス「Voil」も運営しています。
ー3人で起業された旨、拝見しました。お三方の役割分担を教えてください。
柴田さん:
元々、佐藤と設楽は「東京大学E.S.S.」という東大の英語スピーチサークルでとても仲良くなりました。私と設楽は、留学先が一緒で仲良くなりました。私と佐藤で起業しよう、という流れになりましたが、最初の経営合宿に設楽も参加したことがきっかけとなり、結局3人で起業することになりました。
佐藤はCEOで、資金調達もメインで対応していますし、最近リリースした「Memoria」も立ち上げから中心で動いています。ビジネスサイド、エンジニアサイド含め全般を見ていますね。
私は完全にビジネスサイドで、マーケティング、広報PR、場合によっては営業も見ています。また、佐藤と共に資金調達も対応しています。
設楽はCTOとしてエンジニアサイドを中心に見ていて、エンジニアチームをまとめています。
ー長期インターンの口コミサービスと、恋愛メタバース。一見全く異なるサービスかと思いますが、どういった所が共通しているのでしょうか?
柴田さん:
一番最初は長期インターンの事業をメインに展開しており、「次の資金調達はいつ頃を目指そうか」「でも今の事業って、どれ位スケーラビリティがあるんだろうか」という話が出ていました。そして、より大きな絵を描くために、ドメインに関わらず様々なサービスを考えて「シンクビッグな事業を創ろう」という結論になりました。
その後、経営合宿で新規事業を改めて考える際に、設楽がVRヘッドセットを持って来たんですよね。3人で触ってみて、事業案が凄く考えやすかったです。
2つの事業で間違いなく共通しているのは、代表の佐藤が「自分の好きなものを広げたい」という気持ちが非常に強い、という点ですね。また、我々が掲げているビジョン「世界中の人々の人生がワクワクであふれている世界を創る」にも、必ず繋がっています。
過去の資金調達と比較して
ー昨年10月にシードラウンドとして1億円調達した旨、プレスリリースを拝見しました。これまでの資金調達と今回の資金調達、異なった点はありますか?
柴田さん:
昨年の10月に1億円資金調達をしたのと、その前に株式会社アカツキ(以下、アカツキ)のHeart Driven Fund(ハートドリブンファンド)から1000万円、資金調達をしています。大変度合いは、金額的にも大きな差があったので、レベルが全然違いました(笑)
最初に資金調達をするに至ったきっかけは、資金調達勉強に参加してアカツキの熊谷さんと知り合ったことがきっかけです。プレシードラウンドはエンジェルやVC含めて5社未満で、直ぐに調達が決まりました。
投資して頂けたポイントとしては、CEO佐藤のキャラクターが魅力的であった点と、事業案を直ぐに修正したスピード感を評価して頂いたのかなと思います。
熊谷さんは常に起業家目線で的確なアドバイスを下さり、最後の意思決定は自分達でするようにと、何事に対しても背中を押して頂いていたので、本当に感謝しています。
ー大変度合いに大きな差があったとのことで、直近の資金調達についても詳しく教えてください。
柴田さん:
直近の1億円の調達は、リードVCが決まってからはトントンと進んで行きましたが、リードVCが決まる前は「一度資金調達を停止して、事業のトラフィックを出してからの方がいいかもしれない」という話が挙がるくらい、難しいなと感じる日々でした。
エンジェル投資家やVCの方に、毎日ひたすら会いに行きました。数としては、2ヶ月で50〜60人位ですかね。ですが、なかなか決まらない時期が続きました。
反応は2パターンに分かれていて「VRデバイスっていつ頃浸透するのか?」に対して、「浸透する未来が近いよね」なのか「いつかは浸透するけどまだまだ先だろう」と考えているかによって違ったと思います。あとはカルチャーフィットもあったかなと。
厳しい状況を打破したきっかけ
ーリードVCが決まるまで厳しい状況が続く中、どのようにして状況を打破したのでしょうか?
柴田さん:
ポイントは2つあって、リードVCのanriさんのように「VR投資」に対してとてもポジティブなキャピタリストの方と出会えたことですね。もうひとつは、ピッチ等を通してスケーラビリティをきちんと話すことができるようになっていった、という点が大きいと思います。
クレイジーな事業案なので、どれだけ事業が跳ねるかというのを説明できるかが重要だと思っています。「VRのマッチングアプリを作ります」ではなく、「恋愛に特化した新しい仮想世界を創ります」という説明をしていました。そしてその世界を実現するために、今後このようなステップで事業展開を考えていますとプレゼンしていました。
もちろんその世界を創るのは前提としてあったのですが、それを敢えて言うことなのだろうかという感覚が元々ありました。でも、結果的にそこに一番ワクワク感や面白さを感じて頂けたと思います。
ー資金調達未経験の中で、どのように学んでいきましたか?
柴田さん:
キャピタリストの方からのフィードバックは真摯に受け止めていましたね。「スケーラビリティに対して夢があまりないよね」と言われた時には、「何故そういう風に見えるのだろう?」と考えて直接理由を伺ったり、「どういう見せ方をしたらもっとワクワクしてもらえるんだろう」というのは考えました。フィードバックを受けてとにかく改善を回していった、というのは今振り返ってもやって良かったと思います。
ー最後に、資金調達で一番苦労したことを教えてください。
柴田さん:
資金調達中というより、資金調達後の状態はもっと改善できたかなと思います。
資金調達って多くの方から会社が評価されると思うのですが、元々社内では「誰かを評価する」というカルチャーがあまり無くて。良くも悪くも、外部の方々から評価されることに慣れてしまうと、社内にも評価する文化を持ち込んでしまって、社内でとげとげしいコミュニケーションが生まれてきました。
心理的安全性がきちんと確保できていないなと感じることが増えてきて、改めてカルチャーを作り直しました。
最初に出資頂いたアカツキさんのカルチャーや世界観にもとても良い影響を受けているので、「楽しく働く」「安心して働く」といったカルチャーを自社で作っていきたいと思っています。
今日のお話が、これから資金調達に向けて動き始める起業家の皆さんのお役に立てば、幸いです。
ー資金調達後の社内コミュニケーション課題については、初めて伺いました。リアリティのある資金調達のお話し、ありがとうございました。大変参考になりました!
最後に
本記事では、株式会社Flamers 取締役COOの柴田展大さんの、資金調達時の体験談をお届けしました。
同社が提供するMemoriaについて、詳細は下記よりぜひご覧ください。
(上記のURLより遷移するwebサイトはFUNDOORのものではありません)
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執筆:FUNDOOR
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